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2017年7月12日市民型講座

第35回:社会において重要な役割を演じている各種鉄酸化物とその背景

「抄録」

 「鉄酸化物の種類」として、通常の酸化鉄のほかに、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄等があり、地球上においてそれらは偏在している傾向がある。それとともに人間社会においてそれらは重要な役割を演じている。それらに関連して、鉄鉱石の資源、鉄鋼表面に形成する鉄錆、およびそれらの周辺の話題などについて紹介します。

  鉄は人間社会にとって切っても切れないほど縁の深い物質ですが、空気中で酸化して錆びてしまうのが欠点とも言われます。酸化鉄には何種類もあり、空気中で安定な種類で表面が一旦覆われてしまえば、マンホールの蓋のように錆びにくい鋼材になるそうです。また鉄に燐が含まれていてもインドにあるデリーの鉄柱やフランスのエッフェル塔のように腐食に強いし、炭素を少し混ぜるとハガネのように堅くなりますが増やすと鋳物のように脆くはなりますが整形し易くなります。
 地球上には鉄鉱石としての埋蔵量は約2,300億トンとも言われ、ブラジル・アマゾンのカラジャス鉱山に埋まっている180億トンも大陸移動が始まる前に一緒に堆積し、酸素を嫌うシアノバクテリアが排出する酸素を何十億年も前から延々と吸いつつ南半球に辿り着いたわけです。この鉱山の1970年代からの開発と原料輸入に携わったのが当時は富士製鉄の鉱石部長で後に新日鉄社長になられた今井敬・現経団連名誉会長で、鈴木先生も大変尊敬されているご様子でした。
 宇宙にも鉄が豊富なことは隕石からもわかりますが探査機ローバーが火星で見つけた鉄は錆が薄いものの、以前に水が存在していたことを裏付ける成分も含まれていたとのことです。
 あと資源開発は環境汚染にも繋がりますが鉄は例えば、火山や温泉近くで濃度の高い猛毒のヒ素などと化合させて固形化処理する浄化技術に使われているとの話もありました。企業と大学で鉄の研究に専念された先生から多岐にわたる話題を熱く語って戴きました。

 

 
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